Spectrum Tokyo1周年記念!編集部オススメ記事まとめ

みなさんこんにちは! Spectrum Tokyo編集部です。

Spectrum Tokyoは2023年7月4日に1周年を迎えました。いろいろな方に取材のご協力をいただいたり、すばらしいコラムニストから記事を提供いただいたり、おかげさまでたくさんの記事を発表することができました。

今回は編集部が選ぶ、オススメ記事を紹介いたします。3人の編集部員が3記事ずつ選びました。はじめての方も、何本か読んだことがある方も、Spectrum Tokyoでしか読めないインタビューやコラムをぜひご堪能ください。

編集長の三瓶が選んだ記事3選

制約の中から生まれる創造性

常日頃から、クリエイティビティというものは制約があってこそ生まれるものだと思っています。自分はいわゆるスタートアップのような小規模組織でものを作ることがほとんどだったので、当然そういった環境のほうがクリエイティビティが促進されると思っていたのですが、コラムニストの安藤さんは実は保守的な大企業で働く方のほうが突拍子もないアイデアを生み出すことが多いと感じているとのこと。大企業は大企業でリソースとは別の「制約」があることから、その性質の違いが人の創造性に影響しているのではないか、という視点はとても考えさせられました。

「追い出す」ではなく「寝かせる」。クリエイター同士をつなぐ作業通話のやさしいデザイン

ミクシィさんがリリースしているmocriという作業通話ツールのデザインについて、インタビューした記事ですが、サービスの成り立ち、ユースケース、デザインともにとても日本らしいなと感じていまして、ピックアップしました。作業通話というのは漫画や小説などを作るクリエイターたちが作業中に会話をするという文化なのですが、そういったクリエイティブを媒介とした繋がりを求める文化がとても日本的ですし、そんな場所で使われるサービスもとてもやさしくデザインされていて、タイトルにあるライティングの意思決定もとても日本らしいUXライティング事例だと思います。

「普通に使える」ために泥臭く誠実に。働く現場に変化をもたらす業務システムのデザインとは

行政手続きの効率化や自治体向けのソリューションを提供している株式会社グラファーに所属する佐野さんのインタビュー記事です。我々のようなメディアがデザイン事例を取り上げるとき、わかりやすく華々しいプロジェクトを選びがちですが、そういうものばかりがデザインじゃない、ということを証明するような取材だったと思います。デザインはとても泥臭いものだと思いますし、現場で起こっていること、現場の問題に対峙するデザイナーがどう事象に真摯に向き合っているのか、そういった様子がひしひしと伝わってくる、いい記事ではないでしょうか。(三瓶)

編集部の野島が選んだ記事3選

Futures Designを実践するManyoneが語る、未来をデザインするためのマインドセット

2022年9月、Spectrum編集部で行ったデンマーク取材からの一本です。

BespokeはFutures Design(未来デザイン)という手法を使っているデザイン会社なのですが、実は話を聞くまでどういったものか全く想像がついていませんでした。詳しくは記事で確認して欲しいのですが、順を追って考え実行できれば、私たちが期待する未来を少しずつ作れるのではないかというFutures Designの考え方は、暗いニュースが多い日々の中で一筋の光を感じられるものでした。デザインと呼べるものは本当に幅広いなと感じます。ぜひ多くの人に知って欲しい考え方です。

ベンガル猫と考えるニャフォーダンスとシグニファイニャ

デザイナーとして国内外で幅広いジャンルのプロジェクトに携わっている中村麻由さんの連載から猫ちゃんの記事を。デザインを専門的に勉強してきた人以外にはなかなか馴染みのない言葉、アフォーダンスとシグニファイア。これを猫を通じて理解できてしまう、にゃんともステキな記事です。このゆるさと真面目さのバランスがSpectrumらしさなのだと思っています。

ユーザー体験とは切っても切り離せない「感情」とどう向き合うか

こちらは河野道成さんの連載コラムから。感情そのものについて、そして感情や生体情報を活用したインタラクションについて大変丁寧に解説されています。「プルチックの感情の輪」や「ラッセルの感情円環」など、学術的な情報を取り入れながら、現代それがどのように使われているのかが一気にわかる、とてもアカデミックな内容です。読みやすくわかりやすいのに、「知識が増えた!」と実感できる、個人的にはとても満足感のある記事でした。(野島)

編集部の長島が選んだ記事3選

トイレのサインから学ぶ、人の認知能力と空間体験

まずは連載コラムの中から、河野さんが執筆された記事をご紹介。トイレのサインやピクトグラムのすごさをさまざまな観点からあらためて捉え、それらを支える規格やガイドラインなどの前提を知ることができます。昨今進むジェンダーカラーの撤廃、空間にマッチしつつ馴染みすぎないデザインの模索など、私たちの常識や生活環境の変化と共に進んでいく「良い」の定義の変化、個々のデザインからにじみだす空間としての美意識などについて考えてみたくなる、とてもおもしろい記事でした。

体験を捉えるため、本質と向き合う。時代を越えたデザインを作るSpring/Summerのデザインプロセス

続いては、Spectrum編集部がデンマークで行った取材記事から。Webサイトを「ユーザー体験そのもの」として捉え、扱う製品の質感を感じさせながら、実際に辿る行動に沿ったストーリーテリングとして展開していく手法がとても素敵です。デザインにおいて視覚はもちろん重要ですが、触覚など五感に根ざしたアプローチや語り部としての視点がもたらす可能性を感じ、デザインには私たちが持つさまざまな感覚を活かせる余地が多分にあることを感じる記事でした。

猫様の健康見守りIoTサービス「Catlog」が大切にする、猫様と飼い主さんに寄り添ったデザイン

最後に、自身が担当した記事の中からひとつご紹介します。どのインタビューもとても思い入れがあるため非常に悩みましたが、想像の何倍も寄り添うということを突き詰めて考え、デザインされている姿勢が印象的だったRABO社「Catlog」の記事をピックアップ。生活様式の変更を強いらない、猫様と飼い主さんとの関係性を決めつけずそれぞれの距離感を尊重する、サービスのあるべき立ち位置を踏まえつつ提供価値を広げていく……など、奥ゆかしさと心配りに満ちたデザインのあり方を、是非多くの方に知っていただけたらと思います。(長島)

Spectrum Tokyoの旅はこれからも続く

今回9記事ピックアップしてみましたが、本当はすべての記事がオススメですので、機会あればトップページから記事をディグってみてください。2年目はより幅広く、Specturm Tokyoらしい視点でデザインの事案を取り上げていければと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします!

Written By

三瓶 亮

Spectrum Tokyoのファウンダー。東京のデザインファーム、フライング・ペンギンズにて新規事業としてSpectrum Tokyo、また会社自体のブランド戦略も担当。グローバルデザインカンファレンスDesign Matters Tokyoもオーガナイズ。90年代のパンクロックとテレビゲームが大好き。

長島 志歩

Specrum Tokyoの編集部員。映画会社や広告代理店、スタートアップを経て2022年よりフリーランス。クリエイターが自らの個性を生かして活躍するための支援を生業とし、幅広くコンテンツづくりやPRなどを行っている。

野島 あり紗

Specrum Tokyoの編集部員。マサチューセッツ美術大学を卒業後、ゲーム系制作会社やデザイナー向け人材サービスのスタートアップに従事し、2021年に独立。デザイン界隈のフリーランスとして現在は各種デザイナーの採用、執筆編集などを行う。好きなものはラジオと猫。

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